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※注意※「色々酷い事を書いているので閲覧注意」

戦争概論 第三章 原稿② 完成している部分だけ

ちなみにあと2ページで完成しますが一時、別の動画を作るので少しですが更新止まります


戦略要点、決勝点および目標

連絡中枢地としての地位からくるのか
また軍事施設または要塞などの存在からくるか

いずれにせよ それが何であれ
戦地にある軍事上重要な地点は
いずれも「地理上の戦略要点」です

ベルギー領を例に出すと

この時、ミューズ河の線を制する者が
同国の占領において最大の利を収めることができ
なぜなら、このミューズ河を取れば、敵の側面に回れる可能性が高く
もしここで包囲できれば、敵は海を背に戦わなければならず
決定的敗北の危険に晒されてしまうことになります

ミューズ河と似たので、ドナウ河谷も似たもので
南ドイツの鎖やく と呼ばれるほどの、要点です

他にも、いくつかの谷地が集まって
その地方の重要連絡線の中心となっているところも「決定的な地理上の要点」である
これは、ライプツィヒのようなもので
北ドイツの連絡線が集まる地なので、名実共に戦略要点です

首都は、いずれも交通と連絡の中枢地であるばかりか
一国の権力と行政府の座があるため
二重の理由からして、戦略要点です

山や山岳地方では、軍にとって唯一の通路の    が
自分が計画した作戦との関連から決定的なものです

他には、敵の主力部隊の位置と
これに対し、指向される我が作戦企図との関係から、重要になってくるものもあり
これは「機動上の戦略要点」です

最後に、第二義的な意義しかもっていないもの と
不変絶対的な重要性を持っている ものがあり

後者がいわゆる「決勝点」と呼ばれるもので
会戦の成り行き、または単一作戦の何れにも
重大な影響をおよぼすことができる ものすべてに
決勝点という名称を与えて然るべきであると考える

一般原則として「機動上の決勝点」は
作戦にあたり、危険に陥ることなく
敵を、基地および支援兵力から遮断できる
翼側面にあるといっても間違いありません

この例外といえば、島国の弱勢軍に対抗する場合であり
この際は、たとえ危険であっても、彼らを艦隊から遮断する試みがなされねばならない

また、敵兵力が支分されてたり、あるいは広正面にわたっている場合
その決勝点は中央部にある

となれば、この中心部を突破することによって
敵兵力はさらに分散され、弱体化し各個撃破されてしまうからだ

以上のことから、戦場にある決勝点は次の項目によって定められます
1、土地の形状
2、戦略上の最終目的と、局地の地形との関係
3、両軍それぞれの占めている位置

目標についても、二つの種類があり
「機動上の目標」と「地理上の目標」です

地理上の目標は重要な、要塞、河川の線、またその後の計画による
有利な防衛線 もしくは支とう点を提供する作戦正面です

機動上の目標の重要性は
地理とは対照的に、敵主力の状況や配置によって決まる

戦略では、会戦の目的が目標を決定する
もし、自分達が攻勢を狙っているのなら
敵の首都か州都を
すなわち、失陥により敵がどうしても講和を求めるようになるような地点の占領でしょう
侵攻の場合、通常その目標は敵の首都にあります


防衛の場合の目標は
占領の望ましいものに代わって、是非共守らねばならぬものとなる

機動上の目標とは 敵の撃滅と深い関係の物
その重要性はこれまで述べてきたもの見ればわかります

勝利への最も確実な期待は
ある程度、この機動上の目標の適切な選択にかかっていました

この目標の適切な選択はナポレオンの最も優れた長所でした
一つや二つの地点を奪取したり、隣接地を占領するだけで満足していた旧来の型式を一掃し
彼ナポレオンは、大勝を得る最善の途が
野戦軍の圧倒殲滅にあることと確信していた
なぜなら、防衛に任ずる組織された兵力がいなければ
国であれ、州であれ それ自体の崩壊を免れません

各作戦地帯が示しだす、利害を一瞬のうちに識別し
勝算がもっとも大きな地帯に主力を集中し
敵陣地の情報収集を怠けることなく

もし敵の正面が広ければ、その中央を攻撃し
容易に敵の連絡線を奪えれば、次は翼に
できるだけ素早く攻撃をおこない
敵を分断し、包囲し、どこまでも追いかけ、完膚なきまで叩き潰す
これは、ナポレオンが初期の会戦時に取った方式であり
これらの緒会戦で、この方式が優れたものの一つであることを実証しました

後年この機動が、広大で貧寒のロシアで用いられたとき
ドイツで行われたような成功を収めることはできませんでした
とはいえ、この種の戦いが どんな才能にも いかなる地域にも
はたまたいかなる状況にも、全部が全部当てはまるものでないにしろ
それでも成功の機会は大きく
かつそれは戦いの原理に基づいているものであることを忘れてはいけない

ナポレオンはこの方式を乱用しました
だがこのことは、作戦に適切な制限を加え
軍および隣接国のそれぞれの条件にあった 実施されるならば
その真の利益を否定し去るわけにはいけません


作戦正面および戦略正面

作戦地帯内に集中する軍は 通常の場合戦略陣地を占領します
敵と対向して占領されたこの正面の広がりを戦略正面という

またこの正面の前方、2~3日ほどの地域が作戦正面と呼ばれている


戦闘が始まろうとする前に 普通どちらかの軍が
攻撃をしようと決心し、または敵の攻撃を待つけようと決心する

もし防衛すると決めた場合
戦略正面上か、あるいはもっと後方のどこかで、防衛線を築こうと準備を始めます

しかし、1795年のフランス軍オーストリア軍の会戦では
ライン川がどちらの軍の防衛線であったのと同時に
彼らの戦略正面であり、作戦正面であったように
時に、これらの線がたまたま一致する
本来、まったく別の性格のものであるにもかかわらず
人を容易に誤らせるのである

例えば、侵攻の場合、防衛線はまったく必要ない
軍が一つの地に集中する時
戦略正面は存在しない

しかし、いずれの場合にあっても、作戦正面を欠くことは絶対にない

両軍隔て、かつ両軍の戦闘の場となる作戦正面は
作戦基地と平行しているのが本来の姿であり
それは主とする作戦線と同じ方向にあり
その作戦線と直交ししかも、この直交するこの後方連絡線を十分に守るために
両翼を広く、そして深く拡げられなければいけない

しかしこの方向は、自分の企画構想
または敵の攻撃方向によって変わるものだ

その場合でも作戦基地とは直交させ
原作戦線に平行するような正面を持つ場合もしばしばある

どちらにせよ どういう場合にしても すべての壮大な機動作戦にとって
この種の正面の変換は最重要手段の一つでもある

そして、これらの行動が上手くいけば
二正面に作戦基地を持つのと同じ、有利を持つことができ
戦略的に、敵に二正面を強いることができるからである


防衛線

防衛線は、戦略的なものと戦術的なものの二つに分けることができます
まず戦略的な防衛線は
国境要塞線に見られるような、一国防衛組織の一環としての永久防衛線
軍の一時的陣地としてのみ関係ある不時に備えての防衛線

それは、臨時の築城で弱点をカバーしている相当幅が広い各河川
各山岳地帯および各隘路は
敵の作戦侵攻を遅らせ、または敵は別の弱点を探すため攻撃を断念するかもしれません

これを戦略であれ、戦術であれ
不時に備えた防衛線とみなすことができます

このケースでの利点は、むろん戦略的なものです

もし敵が正面から力技で攻撃してきたのであれば
河川にある陣地や、天然人工の強靭な地点から軍を駆逐することは
平坦な地にいる軍よりも難しいため
これは明らかに戦術的利点である

これらの線は明らかに戦術的利点を有していることになり
他面多くの軍の破滅の要因となった陣地戦型式に陥らないためにも
我々はこの利点を絶対的なものと考えてはいけません

なぜなら防御の為の防衛陣地がどんなに完備されていようと
その中に閉じこもり敵の攻撃を待っているだけなら
最終的に来るのは敗北しかない

※前の章で言ったとおり、歴史上堅固な要塞ほど迂回され、意味のないものになる



戦略陣地

戦略陣地とは、短期的に占領するもので
実際の戦闘で援護されるよりも、ずっと広大な作戦正面を援護するように意図されているものである

戦略正面、防衛線および戦略陣地は
状況によって変化するものなので、原則はほとんど存在しない
だがどの場合も、第一に心掛けていなければいけない一般法則がある
作戦上の点と、十分に連絡を確保しておくことである

防衛の場合
戦略正面および防衛線は、両翼および正面にしとう点として役立つ
天然または人工の強力な障害があるのが望ましい
戦略正面上のしとう点は、これを作戦軸と呼んでいる

これらは実際、一時的な基地であるが
機動軸とは全然異なっている

機動軸とは、軍の大部分が重要な目的完遂のために行動しつつある間
確保すべき重要地点防護のために残される支隊のこと
目的が達成された暁に、機動軸はその役目を終える

これに反して作戦軸は具体的なしとう点であり
会戦間を通じつて持続するものである

防衛線にとって望ましい資格は
軍が止むを得ず防御を取るとき
カバーが容易であり、正面が狭ければ狭いほどいい
戦略正面の広がりは軍の部隊が迅速に有利な地点に集中することを
妨げるような広大なものであってはいけません

ちなみに、どんな目的であれ他国に侵入し戦う場合は
退却地点や防衛線を準備しておいたほうがいい
たとえ戦争の序盤で輝かしい勝利が得られた場合でもだ


作戦地帯および作戦線

まず作戦地帯とは、戦地全体の中にあるもので
軍が単独であれ、同盟軍と協力している場合でも
目的達成のため、通過し前進していくべき地域のことだ

この作戦地帯という言葉は
総体としての戦地の相当広い範囲に対しても用いられ
一方、作戦線は軍の作戦に含まれている範囲内の
そのまた、とある部分に対して用いられている

戦略線という用語は、道路が一本であれ、複数であれ
作戦地の決勝要点を相互につなぐか
あるいは作戦正面と繋がっている線に対して用いられる

同じ理由から我々はこの名称を
軍が決勝点の一つに辿り着くためにも
また原作戦線から一時的にそれ
重要機動をおこなうためにとる線に対しても用いる
連絡線とは、作戦地帯内各所に所在する軍の部隊たちに
実際の道路を指定するものである

およそ各作戦地に二つもしくは三つ以上の作戦地帯はまずあり得ないし
利点は普通、その位置によってきまるものなので
作戦地帯の選択はそれほど複雑ではない
これに敵の様々な配置、戦場すべての交通連絡線および
指揮官によって計画される作戦に従い
色んなクラスに区別されている作戦線とはいささか異なっている点である

単一作戦線
とは、国境から行動を起こす軍隊が、独立した大兵団に分割されていないときになる線で

二重作戦線は
同じ国境地点から進発する二つの軍団が取る線であり
または一人の将軍の指揮下にありながら、ほぼ同等の規模の軍が
距離も遠く離れ、時間的にも大きく前後している場合でも


内線作戦線は、数個の敵兵団に対抗するため、一つの軍がとるもので
兵力を集中し、敵が大兵力で我々に攻める前に機動するものである

外線作戦線は、内線作戦線の逆で
同時に敵の両翼に攻撃する場合や複数の軍団で一つの敵を攻撃するものです

求心作戦線
左右に遠く離れているいくつかの地点から出発し
敵基地の前後や後方などの一点を 目指すもので

離心作戦線は、一つの地点から去って、遠くのいくつかの地点に移動するものであり
上記の線よりも軍を分割させるものである


ちなみにただ単に長い線でしかない「縦長作戦線」というものもある

暫定的な戦略線を示すときに用いた「機動線」という用語は
単一かつ一時的な機動を示すときに用いられるものであって
これが実際の作戦線と混同はしない

副次作戦線は
お互いに対し、共同の支援を与えるように行軍する二つの軍の
何れか一方によって取られるものである

不規則作戦線は
当初の計画をし、作戦に新しい方向を示す場合になる形態で
この線を最適に用いるには、積極果敢な精神が必要になる


さて有名な会戦の仕組みとその成果を比較すると
勝利に導きやすい作戦線が見えてくる

それは内戦作戦及び単一作戦
戦略的移動により、敵に勝る兵力を要点に集中することだ

もし作戦線をかどに数を多くするという行為は、すなわち
兵力分割となり、各個撃破の好機を敵に与えてしまう

多くの事例を分析することによって以下の原則が生まれてくる

もし戦いの術というものが、作戦地内の決勝点に可能な限りの
最大の兵力を集中させることにあるというのなら
作戦線の選定は計画策定の基本的重要事項として考えなければいけない

すなわち一般原理として言えるのは以下のものである

もし敵がその兵力を広範囲に分散させているのなら
我が方の機動線指向に最適な方向は敵の中央部であるが
もし可能であれば、敵の防衛線であれ作戦正面であれ
いずれかの翼と次いで背後に向かわせることである

この機動の利は
敵の一部と交戦できるということよりも
敵防衛線を背後から襲うことができる という事実を敵に与えることだ

これのおかげで1800年におこったシュヴァルツバルト防衛線では
最左翼に殺到したおかげでたった二回の戦闘で、敵を撤退させることができた

しかし例え敵の翼端を抑えたからといって
さらに敵の背後に回ろうとするのは、いつでも安全と考えていけない
なぜなら、逆にこちらの連絡線を断たれる可能性があるからだ

また同じ国境上に二つの独立軍を配置すべきではない
これが許されるのは大規模な連合軍の場合か
あるいは作戦地帯内で行動する兵力が過大であるときだ
どんな場合でも、全兵力を一人の指揮官の下に置くべきだ

上記の当然の結果の帰として
国境に敵味方同等の兵力がいるときは
単一作戦を取ることが、二重作戦をとるよりも有利である

とはいえ、戦場によって状況は変わるため
攻めてくる軍が二重作戦を取っており
こちらも二重作戦をとらなければいけない時があるだろう

その場合気を付けないといけないのは外線作戦よりも
内戦作戦をとることだ
なぜなら必要な時に軍を素早く集結させることができ
それは会戦の運命をも決めてしまう